速さや効率が称賛される日常のなかで、ときどき私たちは「寄り添ってくれる存在」を求めます。MAL.の新しいサイトとともに最初に並んだのは、そんな気持ちを静かに受け止めるような“くま”。鋭さではなく、丸みのある輪郭とやわらかな眼差し。強く主張しないのに、確かにそばにいてくれる存在感があります。
新サイトの設計では、プロダクトをただ陳列するのではなく、訪れた人が自分の感覚を取り戻せる「呼吸できる場所」であることを目指しました。ページをめくるように眺められる一覧、シリーズごとの滑らかな導線、そして商品ページに忍ばせた詩の断片。どれも、日常のなかにアートを持ち歩くための、小さな工夫です。
そんな意図の象徴として、最初のリリースに迎えたのが “friendly bear” ケース。保護具という役割を超えて、手のひらにやさしさを宿す小さなキャンバスです。朝の支度が思うように進まない日や、移動の多い一日でも、ふと視界に入ったときに呼吸が整う。装いに左右されず大人っぽく持てるバランスも意識しました。
「プロダクトは使い心地の良さでありながら、感情の拠り所にもなれる」――その確信が、今回の刷新の動機でした。新しいMAL.は、アートと道具の間に橋をかける試みを続けていきます。静かな自信をそっと手の中に。ここから始まる旅をご一緒ください。
日常に、やさしさの輪郭を。